art works, 展覧会

個展「明日の思い出」開催中です!横浜ギャラリーartTruthにて10月30日まで

歩きながら眺める景色を捉えたようなちょっと変わった絵。オイルパステルやグラファイト鉛筆で描かれた作品は、淡々としたタッチでありながら日常の刹那を感じさせる。そんな風景画を中心に花や動物を描いた作品など、塚本元の世界観が楽しめる展覧会。

「漁港の家」2022年、オイルパステル・色鉛筆・紙、約21×28.5cm

明日の思い出

歩きながら眺めた景色を切り取ったような作品は、場所やそこにあるさまざまなモチーフとともに時間の表現がテーマになっています。紙に直接描くことのできない時間は、切り取られ描かれた画面の外側(作品を眺める人の頭の中や心の中)の情景として表現できるのではないかと思います。作品を眺める人や、その状況、その文脈などによりさまざまな情景が生まれていく。いちど絵に描かれたものは当然動き出すことはありませんが、画面から立ち現れる情景は、微かな風にたなびく草の葉のように優しく、明日の思い出のように儚い時間のスケッチなのかもしれません。

画材と表現方法について

オイルパステルは、混色が難しい画材です。絵の具のように混ぜて使うのではなく、紙の上でタッチを重ねて描いていくのに適しています。私が使用しているオイルパステルは、複数のメーカーのものを組み合わせてだいたい100色程度。多いと思われるかもしれませんが、混色しないことを考えるとそうでもありません。絵の具を混色したとしても、見えているものの色を見えている通りに表現するには限界があります。そのため画面上で足りない色を限りある色の組み合わせで目に想像させることで、画面にある色味以上の豊かな色彩表現をしていくことになります。作品では、足りない色の表現、というネガティブな捉え方ではなく、色の組み合わせこそ絵の本質ではないか、という視点に立って制作しています。ある作品では街明かりの影の色と、盛夏の燃えるような木々の緑が同じ色味で表現されます。色の組み合わせで、同じ色が色々な役割を演じていく面白さも感じていただければと思います。

モノクロ作品に使用しているグラファイト鉛筆(一般的な鉛筆よりテカリがなく黒々している。)は、選択肢は濃淡に置き換わり、さらに色数は減ります。その代わり筆跡のパターンの組み合わせによって、鉛筆の濃淡が青空になり、街灯の灯りになり、木々が地面に落とす影になります。


明日の思い出|塚本元個展
“Memories of Tomorrow” Tsukamoto Hajime Solo Exhibition
2022年 10月23日(日)〜30日(日) 11:00〜19:00 (最終日17:00迄)
*会期2日目からギャラリーホームぺージからも作品ご注文いただけます

ギャラリーart Truth
〒231–0023
横浜市中区山下町112–5
日絹パークビル1F
tel: 045–263–8663